本記事は2013年9月に公開していたブログ記事の、微調整の上での再掲となる。
2000年代前半におけるフリーホラーノベルゲームの代表的存在。
攻略サイトを見ながら夢中になってプレイしたことを今でもよく覚えている。
有名ホラーゲームの『バイオハザード』と『サイレントヒル』。画面上の主人公を動かしてマップを探索させるそのゲームシステムは、遡っていけばPCゲーム黎明期の、満足にグラフィックを出力できなかった時代のテキストアドベンチャーに起源がある。
バイオハザード・サイレントヒルを考える会――意欲的なグループ名を冠したクリエイターたちは、この両作品をあえて古のテキストアドベンチャー風にして(さすがにコマンド入力型ではないが)創り替えた。『ゾウディアック』とはそんな趣の作品である。
探検家のカイルはガールフレンドのエイミー、親友のジェイクとともに、財宝が眠るという古代都市ゾウディアックに足を踏み入れた。雪崩に遭遇し、ふたりと離ればなれになったカイルは、苦労して見つけた謎の建物に入ったのだが……こう書くと、よくあるストーリーのホラーだ。
しかしこれは物語の面白さよりも、探索要素、謎解き要素が中心。どの方向に進むにしても、どの部屋を探すにしても、行動のすべてが選択肢になっているのである。初プレイ時は序盤の科学センターで、その選択肢の多さに「いきなりこんなの?」となってしまうことうけあい。テキストは淡泊で、ゲーム性を邪魔しないように状況を簡潔に説明することに終始している。
難易度だが、高いことは高いがプレイを諦めてしまうほどではない。各所のヒントを読み解きながら慎重に進めていけば大丈夫なようになっている。攻略サイトもあるので、どうしても迷ったらブラウザを開いたままプレイするのもいいだろう。たまには読むだけのノベルゲームではなく、歯ごたえのある謎解きがやりたいという人にはぴったりだ。エンディングは数種類あり、すべてを見るのは相当に苦労する。
私もクリエイターとして日頃実感しているが、ゲーム制作においてもっとも苦労するのがフラグ管理である。ちょっと間違えただけで思うように進行しなくなる。それでも普通のノベルゲームであれば、そこまで緻密なフラグ管理というのはあまりない。だが本作のような謎解き要素を多く盛り込んだゲームだと、その手間は何段階にも跳ね上がる。この点だけでも、破綻なく作り上げたスタッフには敬意を表したくなるのだ。
リリースから長い年月が経つが、今でもやりごたえ満点な、フリーノベルゲームの歴史に燦然と輝く良作。
直接の続編ではないが、2005年には2もリリースされた。こちらはホラー要素は薄れたものの、全面的なクオリティアップを果たしており、当時のフリーゲームの最高峰のクオリティだった。3も制作が進められ、ファンの期待が集まっていたが、いつの間にかプロジェクトが凍結してしまったのは残念である。
© バイオハザード・サイレントヒルを考える会
『ゾウディアック』は現在もベクターでダウンロードが可能だ。
サポートが停止されて久しいAdobeのFlashが用いられており、普通にプレイしようとしてもタイトル画面で停止してしまうのだが、これを回避する方法が有志によって発見、公開されている。
【重要】AdobeFlashPlayer終了による動作環境において - ゾウディアックまとめ Wiki - atwiki(アットウィキ)
今からプレイしてみたいという人は、こちらを試してみてはいかがだろうか(ただし自己責任で)。
