アライコウのノベルゲーム研究所

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『天空の花嫁と。 -僕は妻に、二度目の恋をした-』レビュー:山あり谷ありのドラクエ5二次創作ノベル

天空の花嫁と。 -僕は妻に、二度目の恋をした-』(inspire、PC、2011年) ※18禁

 

 本記事は2010年代に公開していた自サイト記事の、微調整の上での再掲となる。
 inspireは数多くのドラクエ二次創作ノベルゲームをリリースしてきたサークル。
 本作はビアンカ派にはたまらないヒューマンドラマだ。

 


 

『ドラゴンクエスト』シリーズの中でも随一のヒューマンドラマといえば5だろう。本作『天空の花嫁と。 -僕は妻に、二度目の恋をした-』。はその5を題材にしており、ビアンカを結婚相手に選んだ場合のifストーリーを描いている。

 探し求めていた天空の盾を手に入れるためには、大富豪ルドマンの娘フローラと結婚しなければならない。その条件のひとつである水のリングの探索に向かった主人公は、山奥の村で幼馴染のビアンカと再会する。水のリングを探すのを手伝うと言って仲間になるビアンカ。そして主人公は最終的には彼女と結婚するが……。

結婚前夜の主人公とビアンカ

 ファンには今さら説明する必要のない導入部を経て、オリジナル展開が始まる。原作では結婚式の後さっさと旅を再開するが、周囲の助言もあって、ビアンカを楽しませるために少しの間ハネムーンとしゃれ込む。名付けて新婚“性”活ノベルなのだが、ただラブラブイチャイチャして終わりではなかった。

 二度目の恋をした、というサブタイトルから何となく想像のつく人もいるかもしれない。ビアンカが記憶喪失になってしまうのだ。これはラブストーリーの古典的手法だが、だからこそドラクエに採用するのは新鮮だったかもしれない。
 ビアンカと一生懸命に接しようとする主人公と、戸惑いながらもその献身さに応えようとするビアンカ。ここで物語に味付けの役割を果たすのが、子供スライムのピーちゃん。トラブルの要因にもなり、ふたりの心を癒す存在にもなる。主人公とビアンカにはこの時点では子供がいないのだが、その代替的存在を持ってくることで、ドラクエ5のテーマである家族を見事に描き出している。その絆によって、最後にはハッピーエンドを迎えるのだ。

 二次創作18禁に抵抗がないなら、ビアンカファンにはぜひとも触れてほしい佳作。可愛らしいグラフィックも必見だ。

© inspire

 


 

 本作はDLsite.comで現在もリリースされている。興味のある人は、まずは体験版で動作確認しよう。

天空の花嫁と。-僕は妻に、二度目の恋をした (18禁)