本記事は2019年に公開していた旧ブログ記事の、微調整の上での再掲となる。
ゼロ年代を象徴する文芸誌『ファウスト』。
これに目を付けたかと、当時すんなり納得したのをよく記憶している。
ゼロ年代同人ノベルゲームの中でも『月姫』と並ぶ金字塔『ひぐらしのなく頃に』。
この作品は2002年にシリーズが開始したが、当初はまったくの無名だった。ところが2004年の初夏、第一話にあたる「鬼隠し編」が体験版としてリリースされると、徐々に口コミで広まり、夏のコミケで言わばダークホース的な注目をされる。その後の人気爆発ぶりは多くの人が知るとおりだ。ちなみに当時の竜騎士07氏の日記がまだ残っているので、読んでみると面白いかもしれない。
ひぐらしは2004年冬のアンソロジーコミック化を皮切りに、2006年の各エピソードのコミック化、アニメ化、2007年のプレイステーション2への移植――以降もさまざまな媒体でメジャーの舞台を駆け上がっていった。
しかし私が今も強く心に残っているのは、講談社の文芸誌『ファウスト』に取り上げられたことだ。2005年5月に刊行されたVol.5でのことだった。
ファウストの仕掛け人は有名編集者として知られる太田克史氏(@FAUST_editor_J)。創刊号ではTYPE-MOONの武内崇・奈須きのこ両氏の大型インタビュー記事を掲載し(『Fate/stay night』の発売前)、私もそれがきっかけでこの文芸誌を追うようになり、今も全巻大切に保管している。
当時私はファウストのメールマガジンを取っていたのだが、それが今もウェブアーカイブに残っている。
講談社「メールマガジンファウスト」 - 講談社「ファウストメールマガジン」[第二十八号]
編集長:(白々しく)ん? 夏はまだだというのに、なにかの「なきごえ」がきこえてこないかな? ……かな?
もちろんこれにピンと来た人は多くいた。
同人ノベルゲームが、そのクリエイターが、大出版社の文芸誌に登場する! 一介の同人ノベルゲームプレイヤー&クリエイターとして、その興奮たるや尋常なモノではなかったことを覚えている。
ファウストVol.5に掲載された竜騎士07氏ロングインタビューは、星海社ウェブサイトの『最前線』で現在も公開されており、また『竜騎士07インタビューズ 完全版』という書籍にも収録されている。同人ノベルゲームの歴史を語る上で欠かせない資料なので、ぜひ一度はご覧になるとよいだろう。
スペシャル | 星海社文庫 『ひぐらしのなく頃に』 | 最前線

