アライコウのノベルゲーム研究所

ゲームライター・アライコウのノベルゲーム研究に関するブログです。

構造と演出

ノベルゲームの構造と演出 進行構造3「選択肢(基本について)」

非コマンドのフリーワードによる選択肢は『中山美穂のトキメキハイスクール』などのように1980年代から見られていたが、チュンソフトのサウンドノベルの登場によって一躍スタンダードとなった。現在も圧倒的にこのスタイルが主流になっている。 選択肢分岐と…

ノベルゲームの構造と演出 進行構造2「コマンド選択」

コマンド入力型に取って代わる形で普及したコマンド選択型のアドベンチャーゲーム。画面に表示されているコマンドを適切な手順で選べば先に進めるというのが一般的な流れだ。 この形式もコマンド入力型ほどではないにせよ、全盛期の1980~90年代と比べればだ…

ノベルゲームの構造と演出 進行構造1「テキスト入力」

「GET LAMP」 ノベル・アドベンチャーゲームはこういった動詞+名詞のコマンド入力型*1から始まった。日本でも『表参道アドベンチャー』を皮切りに、いくつものコマンド入力型アドベンチャーが世に送り出されている。 『宝島』(新紀元社、PC-8801、1983年)…

ノベルゲームの構造と演出 画面構造7「テキスト非表示」

ノベルゲームの第一要素がテキスト――キャラクターの台詞や地の文の表示であることに異論を挟む人はいないだろう。 しかしそのテキストを作品の中心から外して成り立たせる作り方もある。すなわちグラフィックとボイスを主役にするのだ。90年代の前半から、数…

ノベルゲームの構造と演出 画面構造6「漫画的表示」

イラストレーションとストーリーの複合的娯楽であるノベルゲームは、漫画とある意味では同じジャンルであり、親和性が高い。 自然と、漫画に近づけてみるという試みも生まれるようになった。まずはメッセージウィンドウの変形だ。 (左)『ロレッタの肖像』…

ノベルゲームの構造と演出 画面構造5「ウィンドウ非表示」

メッセージウィンドウの第一の役割は、テキストを読みやすくすることだ。 逆に言えば、テキストの可読性が十分保たれているならば必ずしもメッセージウィンドウを用いることはない。 『Life is Strange』(スクウェア・エニックス、2015年)※画像はPC版 『Li…

ノベルゲームの構造と演出 画面構造4「縦書き表示」

日本語は縦書きが可能であり、かつ日常生活に多用している、世界的に見ても珍しい言語だ。 テキスト主体のジャンルであるノベルゲームでもこれを有効活用した作品が見られる。最初の成功例は1987年にファミコンディスクシステムで発売された『ふぁみこんむか…

ノベルゲームの構造と演出 画面構造3「フレーム表示」

1980年~90年代初期頃のアドベンチャーゲームは、大きく容量を食うグラフィックを画面全体に常時表示することは難しかった。フル表示のグラフィックをシーン毎に頻繁に切り替えるという手法がメジャー化するのは『弟切草』(チュンソフト、SFC、1992年)以降…

ノベルゲームの構造と演出 画面構造2「ウィンドウ表示」

メッセージをウィンドウ内に表示する形式のノベルゲームは、多くのプレイヤーにとって馴染み深いものだろう。 全画面表示ノベルゲームでもメッセージウィンドウは採用されるが、本項ではもっとも一般的な「数行のメッセージを画面下部のウィンドウに表示する…

ノベルゲームの構造と演出 画面構造1「全画面表示」

ノベルゲームという語を聞いてまずイメージされるのは、小説の白いページに文字がいっぱいに広がるように、画面全体に文字が表示されるタイプのゲームではないだろうか。 歴史を紐解いてみると、国産アドベンチャーゲームのはしりである『表参道アドベンチャ…

【予告】「ノベルゲームの構造と演出」の連載開始について

Aboutページに記載しているとおり当初はただのノベルゲームファンだった私も、気がつけば自らノベルゲームを制作するようになり、仕事にするようにもなり、今日に至っている。 私がクリエイターを志した頃から比較しても、ノベルゲームを作ろうと考える人は…